行政書士試験 商法・会社法対策 最低限押さえることろ 第1回
行政書士試験で行政法や民法も大事だけど、商法・会社法で少しでも得点しておけば合格へ近づくはずよね!
基本だけでも押さえておかないと!!
やる気があっていいねー!
貪欲に点数を取りに行けば合格するよ!
しらんけど。
こんにちは、ヒグマ館長です。
行政書士試験は、法律科目について言えば、行政法や民法で得点出来れば、合格点は取れます。
その辺りのことは、別の記事にしているのでそちらを読んでください。
ですが、行政法や民法を完璧に得点することを目指して勉強するよりも、実は商法・会社法の基本を押さえておくだけで、2~3問程度は正解できます。
そうすると、得点でいえば8点~12点ですね。
少し勉強してこちらで得点しておくと後々、行政法や民法でミスをしてもよくなったり、記述式で取らなければならない点数が少なくて済むようになるので、精神的に楽になってくると思います。
そこで、最低限押さえておいた方が分野に絞って、数回に分けて解説していきたいと思います。
予定では、全8回程度で終わりたいと思っています。
取り上げる分野としては、第2章設立、第3章株式、第4章機関の部分を予定しています。
今回は、全体を見通せるようにガイダンスできな解説をしていきたいと思います。
それでは、始めていきましょう!!
はじめに:会社法の捉え方
会社法は、なぜ定められているのでしょう?
それは、各個人の預金として眠っている資金を集めて個別の預金として眠っている資金ではできない、大きな事業をすることで、利益を生み出せるようにルールを定めているのです。
会社法は、平成18年に施行されたものです。
それ以前は、商法と有限会社法に分かれて規定されていた、株式会社についての規定と有限会社についての規定をまとめて一つの会社法という法律にしたものです。
細かく説明すると、もっといろいろと説明しないといけないのでしょうが、行政書士試験で問われる部分についての前提知識としてはこの程度知っていればいいと思います。
そして、商法・会社法と書かれるのは、会社法が平成18年に施行されても未だ商法の規定が適用される部分が残っているので、商法・会社法と記載されるのです。
全体として一つの大きな分野のきていをしているということになります。
会社法の施行とともに有限会社と株式会社に分かれていた規定は一つにまとめられ、株式会社一本という体制になりました(もちろん会社と名がつくものは他にもあります例えば合名会社、合資会社、合同会社)。
ですが、まず押さえる必要があるのは、株式会社です。
他の会社は、責任をどの程度取るのかによって分けられるもので、株式会社を押さえておけば、株式会社との違いを覚えるだけでいいでしょう。
株式会社は、株主が出資することにより資金を集めて、運用して利益を出し、その利益を配当という形で株主に還元して、また出資された資金をつかって利益を出してその利益を株主に支払うことを繰り返すものです。
そして、株主は自分が出資した金額のみの責任を負います。
これは、会社が倒産した場合は、株式に出資した金額がゼロになるということを意味し、それ以外の責任は負いません。
倒産したら出資はゼロになるけれども、倒産しない間は利益の還元(配当金等)をもらうというものです。
これによって、大きな資金が必要な事業でも、小口の資金を集めることによって大きな金額にして、そのを会社の業務執行等を経営者(取締役)がすることによってより多くの利益を得ることができるようになりました。
そして、一株一議決権が原則で、株式を多く持っているほうが自分の意見を経営に反映させることができます。
たとえば、株主総会で自身を取締役に就任させ自分で会社の経営をしていくことも株式が過半数持っていれば可能です。
逆に、会社の経営はよくわからないけど、お金は持っているので株式を多く持ち、経営は自分が選んだプロに任せて利益を得ていくということも可能です。
多くの場合は、中小企業は、株主が会社経営をしているタイプで、大企業は株主と経営が分離しているので、プロの経営者が経営をして株主が出資しているという関係になります。
そこで、社員という言葉に注意が必要になります。
会社法では、社員というと株主のことを指します。
決して、従業員のことを指すのではないのです。
『会社は社員のもの』というフレーズが二通りの意味に使われることになるゆえんです。
法律上は社員といえば株主をさしているので、会社は社員のものといえば、会社は株主のものということになります。
実際、所有しているのは誰かということを考えると株主が出資をすることにより会社は成立づるので、株主が所有しているといえます。
他方で、『会社は社員のもの』を社員を従業員と読む場合があります。
これは、会社の活動に重点を置いた見方になると思います。
会社が活動するには、中で働いている従業員がいないと活動できないので、会社は従業員の活動があって初めて利益を挙げれらると考えると、会社は従業員がいて初めて成立するものともいえそうです。
ですが、法律上は会社の社員というと株主のことを指します。
株式会社は、一人の資金ではできない規模の事業をやることを前提に設計されているというこを忘れないでください。
そして、株主の責任は有限責任である。
行政書士試験で問われる分野について
行政書士試験では、なぜこの記事の冒頭で書いた会社法の分野(設立、株式、機関)が出題されるのでしょうか?
それは、行政書士になったときに、会社の設立定款を作成したり、議事録などを作成することが業務になるからです。
業務になる法律を知らないで合格しても結局は実務に出たときに勉強しなくてはならなくなります。
このことから試験対策上、商法・会社法については勉強しないで合格できるので全く手を付けないというのは得策ではないのです。
もっとも、自分は会社関係の仕事ではなく在留許可申請などの国際業務を専門にする予定なので、勉強しなくてもいいという方もいるかもしれません。
ですが、行政書士試験で出題されるものはごく基本的なものなので、これぐらいは知っていないと恥ずかしいレベルとも言えます。
勉強する部分は、設立、株式、機関なのでここだけはしっかりと押さえておきましょう!!
『勉強する範囲を絞ってそれ以上は深入りしない』ことも合格を第一に考えると上では必要なことです。
設立なら、発起人の責任や出資について
株式なら、株式の譲渡、配当について
機関なら、取締役会、株主総会、取締役会の運営等々について
実はそれほど多くのことは聞かれていないのです。
基本となる用語は大切に
会社法を学ぶにあたって、重要な点は、会社法の用語の意義(=定義)をきちんととらえることです。
会社法に特有の用語の定義については、会社法の第2条に細かく規定されています。
もちろん、テキストなどに書いてある定義はこの部分から抜き出して書かれていたりするので、テキストの用語の意義を覚えるのでもいいでしょう。
ですが、せっかく六法を買ったという方は、会社法の2条の部分を読んでおくことをおすすめします。
ただ、何度も読まないとよくわからないということになると時間を無駄にすることになるので、先にテキストで確認してから条文を読むほうが良いかも知れません。
法律用語と日常用語では若干ズレや違いがあるので特に日常使っている用語でも一度は確認しておきましょう。
まとめ
今回は導入ということで、①会社法は何を規定しているかのイメージ、②行政書士試験でなぜ商法・会社法が出題されるのかについて、③会社法の用語というよりも法律全般ですが、日常の用語で使うときの意味と法律用語として使われるときの意味では違いがあるので、ご用語はしっかりとおさえることをお伝えしました。
次回は、設立の部分で押さえておく必要のあることを取り上げていきたいと思います。
今回はこのへんで終わります。