行政書士試験 商法・会社法対策 最低限おさえるところ 第7回

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行政書士試験 商法・会社法対策 最低限おさえるところ 第7回

前回は株主総会についておさえるところをやったけど今回は取締役会について押さえておくところを知りたいわ!!

 

自分でどんどん進めていけばいいのではないか?

知らんけど。

こんにちは、行政書士の須佐美です。

今回は会社の機関の内の取締役会について見ていこうと思います。

取締役会は、会社の業務む遂行機関なので、しっかりと理解しておきたい箇所です。

とはいえ、あまり深入りせずに行政書士試験に出題されるところを抑えていれば得点を取りやすい箇所なので、得点を取れるようにしていきましょう。

それでは始めていきます。

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取締役について

取締役は、株主総会の決議によって選任します(会社法329条1項)。

株式会社と取締役の法律上の関係は委任関係になります(会社法330条)。

取締役の任期は、選任後2年内に終了する事業年度の内最終のものに関する定時株主総会終結の時までとなります(会社法332条1項)。

取締役は業務を執行していきます(会社法348条1項)。

また、取締役が二人以上いる場合は、株式会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除いて、取締役の過半数で決定していきます(会社法348条2項)

取締役は、会社を代表することになります(会社法349条1項)。

ただし、代表取締役を決めた場合は代表者だけが株式会社を代表することになります(同条1項ただし書き)。

取締役が二人以上いる場合は、代表者を決めていない限り、各自が会社を代表することになります(同条2項)。

権利義務代表取締役(会社法351条1項)、一時代表取締役(会社法351条2項)、代表取締役の職務代行者(会社法352条)この3つの区別をつけることがポイントになります。

権利義務代表取締役は、代表取締役が辞任や任期満了退任した場合に後任者が就任するまで代表取締役の権利義務を有するというものです(会社法351条1項)。

一時代表取締役は、権利義務代表取締役がいる場合に利害関係人の申し立てにより裁判所が代表取締役の職務を行うべきものを選任します。

権限としては、権利義務代表、一時代表取締役ともに、代表取締役の権限と同じで特に制限はありません。

代表取締役の職務代行者については、民事保全法の仮処分命令により選任されます。

そして、その権限は株式会社の常務に属することのみであり、常務に属さない行為は裁判所の許可がないとすることができません。

職務代行者だけ、権限に制限がついているということに注意してください。

取締役会について

取締役会は、すべての取締役で組織します(会社法362条1項)。

取締役会の職務は、①取締役会設置会社の業務執行の決定、②取締役の職務の執行の監督、③代表取締役の選定及び解職の3つです(同条2項)。

取締役に委任することができない事項について

行政書士試験でよう問われるのは、取締役会が取締役に委任することができない重要な業務執行の決定についてです(同条4項)。

①重要な財産の処分及び譲受け
②多額の借財
③支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
④支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
⑤募集社債の総額その他法務省令によって定める事項
⑥業務の適正を確保するために必要な体制の整備
⑦取締役等による会社に対する損害賠償責任の免除にかんする事項
の7つです。

特に、①、②、④、⑥に注意が必要になります。

①の場合は、重要な財産の引き受けであり、重要でない財産は取締役に委任することができます。

試験では、必ず『重要な財産の引き受け』というワードで出題されるので、チェックするポイントになります。

②については、『多額の借財』というワードが使われます。

なぜ、『多額の借財』というワードで出題されるのかというと、例えば、トヨタの1億円と町の中小企業の1億円では、扱っている取引の額等を考慮するとトヨタの1億円は多額とはいえなく、町の中小企業では多額ということになります。

このように、前提の設定をある程度記載しないと多額かどうかの判断ができないので、行政書士の試験では、『多額の借財』をする場合は…というように出題されるので、このワードに反応できるようにしておきましょう。

④の支店の設置そのた組織の設置、変更、廃止については、支店の変更や廃止について取締役に委任することができるといった感じで出題されます。

取締役会で決めないといけないので注意してください。

間違えやすいポイントなので、しっかりと押さえてください。

⑥の業務の適正を確保するために必要な体制の整備については取締役会が定めるということをおさえてください、代表取締役が定めるものではありません。

議事録の閲覧謄写請求について

取締役会議事録の閲覧謄写請求について出題されたときに問題文でチェックするポイントは、だれが閲覧謄写請求をしているのかです。

だれが閲覧謄写請求をしているかという点について、①株主なのか、②債権者なのか、③親会社社員なのかを区別しましょう。

そして、目的と方法を押さえましょう。。

閲覧謄写請求している主語が違うと手続きも異なってくるので、この区別は重要です。

株主の場合は、権利を行使する必要があるときに株式会社の営業時間内であればいつでも閲覧謄写請求をすることができます。

これは、簡単に言えば、株主が株式会社の所有者なので、いつでも取締役会がどのよな決議をしているのかの確認をする必要があるからです。

債権者の場合は、役員又は執行役の責任を追及をする必要があるときに、裁判所の許可を得て閲覧謄写請求をすることができます。

こちらは、責任追及する場合に限定されています。

更に、裁判所の許可が必要になっている点も注意してください。

なぜ、このような限定や手続きが規定されているかというと、取締役会はどのように業務執行をしていくかを決めるので、営業の秘密が多く含まれています。

そのため、債権者が閲覧謄写請求をすることについて限定を加えているのです。

親会社社員の場合は、権利を行使する場合閲覧謄写請求ができ、その方法としては、裁判所の許可が必要となります。

親会社社員は、株主と債権者の中間的な位置づけとなります

この部分は会社法371条を読んで理解しているかを問う問題ですのでしっかりと得点したいところです。

取締役・取締役会の出題で注意すべき語句

ここでは、行政書士試験で出題されている取締役や取締役会の問題文にこの語句がでたら注意するというところをすこし取り上げていきたいと思います。

例えば、『取締役が法令違反行為などをして、会社に損害が生じる場合に、取締役を解任したいということで、直ちに取締役の解任の訴えを提起できる』といった問題が出たとします。

この場合は、ポイントはどこのあるのでしょうか?

そうです、この問題の場合は「直ちに」がポイントになるのです。

訴えは、最終手段と考えてください、まず解任する場合は株主総会で解任決議をしてそれでもダメな場合に訴えを提起するという流れになります。

取締役が法令違反行為をして会社に損害が発生しそうだから、すぐに解任の訴えというのは手続きの手順を踏んでいないので間違えということになります。

商法・会社法の問題文で、『直ちに』と出てきたら、何か手続きを経ないといけなかったような…といった思考をすることで条文に規定されている細かな要件を覚えていなくても正解にたどり着けることができます。

まとめ

今回は、取締役と取締役会について見てきました。

いろいろと細かなことが問題となってくるのですが、用語の区別をしっかりとつけて、初めのうちは細かな数字については覚える必要はないと思います。

もちろん、できれば細かな数字も覚えたほうがいいのですが、行政書士試験に受かるとう視点から考えると大きくとらえていうことが最重要だと思います。

問題文などでは、条文の言い回しをつかっている場合は問題文自体が長くなってくるので、一見時間がかかりそうですが、実は読むポイントはそこではないといったことが多いので得点しやすいと思います。

今回はこのへんで終わります。

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