行政書士試験 商法・会社法対策 最低限おさえるところ 第5回

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行政書士試験 商法・会社法対策 最低限おさえるところ 第5回

商法・会社法対策は後回しにしてたけど、すこしでも点数を稼げるならやって損はないわね!

これで、3問とれるかしら…

出来るところから、得点していけばいいんだ!!

しらんけど

こんにちは、行政書士受験情報館の館長の行政書士の須佐美です。

今回は、前回の続きで株式について解説していこうと思います。

第5回で取り上げるのは、株式の単位についてと新株の発行、株式の種類についてです。

それでは、始めていきましょう。

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株式の単元ついて

株式会社は出資者に株式を割り当て、株式数に応じて出資をすることにより成立します。

また、株主は保有している株式の種類とその数に応じて平等に扱われます。

では、株式はどのようなくくりで一つの単元にするかを決めることができます。

単元株は、2001年10月施行の会社法改正から導入されてたものです。

注意しておきたいてんは、単位株とは言わないことです。

単位株は株式取引でよく出てきますが、法律用語としては単元株を使います。

例えば1株を10万円とすると10万円ずつ出資することになります。

他方で、1株を1円とすることも可能です。

1株を1円にするかそれとも5万円とな10万円にするかは、出資の容易さを重視するかそれとも株主管理コストを重視するかで変動してきます。

というのも、1株の価格が低いと出資しやすくなりますし、1株の価格が高いと出資しにくくなります。

また、1株の価格が低いと出資しやすくなるので多くの人からの出資を受けることになり株主が多くなります。

他方で、1株の価格が高いと少数からの出資を受けることになるので株主は少なくなります。
ちなみに、株主の数については、同数の株式で同額の資本を集める場合を想定しています。

株式会社は株主に対して、株主総会への出席通知や株主名簿の管理などで一定の管理費用がかってきます。

これを株主管理コストといいます。

この出資の単位と株主の管理コストをどのようにするかについて、会社は独自に設定することができます。

単元株制度について

株式会社は、定款で一個の議決権を行使することができる1単元の株式を定めることができます(会社法188条)。

単元株制度を導入する場合と廃止する場合では定款変更が必要となります。

定款変更が必要なのですが、導入する場合には株主総会の特別決議が必要(会社法190条)なのに対して廃止する場合には取締役会決議で可能(会社法195条)となっています。

この違いはなぜなのでしょうか?

単純に、覚えてしまうことで試験では得点が可能かもしれません。

ですが、ど忘れしてしまった場合はどうすれば良いのか?

ということで、区別の基準を覚えておいた方が安全です。

例えば、今まで1株毎の議決権行使が認められていたとします。

そこで、100株を1単元として議決権を認めるとなると、今まで99株しかもっていない人も株主総会で議決権を行使出来ていたところが、議決権を失ってしまうことになります。

それが、100株を1単位とすることにより、議決権を行使することができなくなってしましました。

これは、株主の権利を侵害することになりますね。

そこで、株主総会の特別決議で決めるとすることによって、株主の権利を保護するしています。

一方、単元株制度を廃止する場合は、今まで株主総会で決議に参加することができなかった人が決議に参加することができるようになるだけで、他の株主には権利行使に対する規制はかかりません

そのため、取締役会の決議だけで廃止することができると規定されているのです。

ポイントは、株主の権利を制限するのかしないのかの違いです。

試験で狙われるポイント

単元未満株主の権利について、行政書士試験では狙われます。

株式買取請求権と株式売渡請求権の部分も出題されています。

単元未満の株式数しかもっていない株主は、株式会社に株式の買取を取りを請求できます(会社法192条)。

では、単元未満株の株式数しかもっていない株主は、株式会社に1単元になるように株式を売渡せと請求できるのでしょうか?

これは、定款に定めた場合にだけ売渡請求は認められます(会社法194条)。

この違いは、なぜのか?

売渡請求を認めるためには、会社が売渡せるだけの自己株式を持っていないと求めに応じることができません

したがって、自己株式を持っている場合に定款に定めれば売渡請求に対応できることになるためです。

買取請求の場合は、株式会社は自己株式の取得には財源規制がある(会社法461条)のですが、制限された株式では株式を持っている意味が無いと考える株主の会社からの離脱を容易にする必要から定款の定めは求められていません。

新株発行について

新株の発行についてですが、新株発行と新株予約権の発行をまず区別してください。

条文上は、いろいろと細かく規定されていますがここでは以下の点を押さえてください。

新株発行は、文字通り新株を発行して資本金を調達に使うものです。

新株予約権は、あらかじめ新株発行価格と行使期間が決まっている新株予約権を有償又は無償で受取、行使期間までに行使する(決められた出資をする)というものです。

新株予約権の利点は、株式市場での株価と払い込みの金額の差額が出ている場合に行使するかどうかを決めることができるてんです。

株価が1000円のときに新株予約権を発行して行使価格が1100円だったとします。

その後株価が800円になったと時に行使期間が来た場合は誰も行使しないことになります。

他方で、株価が1300円になったとすると新株予約権を1100円で行使すれば絶対に200円分の儲けが出るので行使することになります。

このような仕組みに新株予約権はなっています。

これは、取締役などの、インセンティブ報酬として使われることが多いです。

取締役が株式会社の業績を上げて、株価が上がれば、新株予約権を行使することで大きな利益を上げることができるというものです。

注意事項としては、新株予約券を発行するときに有償であった場合でも予約券を発行のに支払われる金額は資本金に計上する必要はありません。

あくまでも、新株予約券を行使するときに支払われる出資の場合だけ資本に計上することになります。

新株予約券の発行の場面か、行使の場面なのかをしっかりと読みとってください。

株式の内容の定め等について

株式の定め等について見ていきたいと思います。

まず確認として、株主の責任は株主が持っている株式の引き受け価額を限度とされています(会社法104条)。

株主の権利は、①剰余金の配当を受ける権利、②残余財産の分配を受ける権利、③株主総会における議決権です(会社法105条1項)。

そして、上記①②の権利を全部与えないという定款の定めは効力を有しないとされています(会社法105条2項)。

では、株式会社の発行する全部の株式の内容として定めることができる事項はなんでしょう?

それは、①譲渡制限と②株主の会社に対する取得請求権と③株式会社が取得することができる条件を付けることです(会社法107条1項)。

この3つ以外のことは株式会社が発行する全部の株式の内容として定めることはできません。

全部の株式の内容として定めることができる事項も行政書士試験では問われるポイントですのでしっかりと押さえてください。

まとめ

単元株制度については、新設する場合と廃止する場合での議決機関が違うのはなぜのかをしっかりと押さえてください。

取締役会で済む場面なのか、株主総会を開く場面なのかを意識するようにしてください。

単元化制度を導入するときに買取請求と売渡請求の規定の違い、買取請求は時に規定されていなくても可能なのに、売渡請求は定款に規定していないとできないその違いの理由をおさることで、忘れても思い出すことができます。

新株発行と新株予約権の発行の違いも押さえてください、とはいっても細かな内容までは気にしなくていいと思います。

特に新株予約権の発行と行使にはタイムラグがあり、行使のときが出資にあたることがポイントとなります。

全部の株式の内容として定めることができるのは3つであることそしてその3つは、譲渡制限、株主からの取得請求、会社からの取得条項であること。

株式についてはこのへんを押さえておけば得点できると思います。

今回はこのへんで終わります。

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