行政書士試験 商法・会社法対策 最低限おさえるところ 第3回

商法

行政書士試験 商法・会社法対策 最低限おさえるところ 第3回

行政書士試験の商法・会社法対策2回目まで読んだわ!

今回はなにかしら

なんども確認して自分のものにするんだぞ!!

しらんけど

こんにちは、ヒグマ館長です。

今回は、前回に引き続き会社法の設立の部分についての解説をしていきたいと思います。

前回では、発起設立を中心に扱いました、今回は募集設立について見ていきたいと思います。

それでは、はじめていきます。

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発起設立と募集設立の違い

発起設立と募集設立は一体何が違うのでしょうか?

簡単に言うと設立までにかかわる人の数が違ってきます。

発起設立は、発起人が全額自ら資金を出して設立するものです。

典型的なものが一人の発起人が設立するというものですが、発起人は一人に限らず数人いても発起人の出資だけで設立する場合は、発起設立です。

募集設立は、発起人の他に出資者を募るところにポイントがあります。

会社の設立前にかかわる人の数かおおくなるとはこのことを指しています。

このために、発起設立とは異なる規定を設けることが必要になってきます。

創立総会(会社法65条)はその代表的なものです。

募集設立での注意点

では、募集設立ではどんな点が異なってくるのか?

募集設立の発起人についての注意点

行政書士試験でよく出題される個所としては、『発起人は株式会社の設立に際して最低1株以上引き受けなくてはいけない』(会社法25条2項)この部分に関する問題です。

どんな点が問われるのかというと、『募集設立の場合には、すべての設立時株式を発起人以外の者が引き受けることができる』という形で、発起人は必ず1株以上引き受けなくてはいけないという会社法25条2項のてんを聞いてきます。

募集設立でも必ず発起人は出資するということを忘れないでください。

創立総会について

創立総会は、募集設立の場合にだけ開催することになっています(会社法65条)

創立総会を招集するのは、発起人です。

創立総会は誰が出席して、何で創立総会が必要になるのでしょうか?

創立総会は、設立時株主が出席します。
※発起人も一株以上必ず引き受けるので株主になります。

募集設立の場合は、発起人以外の者の出資をうけるので出資した設立時株主の意見を反映していく必要があるので、発起設立とは異なる規定が必要となってきます。

そして、募集設立の場合の定款変更は、創立総会でのみ行われることになります。

創立総会での定款変更は、会社法30条2項によって定款変更が限定的に認められている発起設立の場合と異なり、特に制限なく変更することができます(会社法96条)。

ちなみに、会社法30条2項では、現物出資等の変態設立事項について不当と認められた場合、発行可能株式総数の定めやその変更に限定して発起人による定款変更を認めています。

募集設立では、制限なく定款変更ができるのは、発起人以外の出資者の意向を反映する必要があるからです。

ちなみん、募集設立では発起人以外の株式引受人が株式の払い込みを行わなかった時当然に失権することになります(会社法63条3項)。

当然に失権する』というときの、『当然に』の意味は、自動的にとほとんど同じ意味です。

すなわち、何も手続きを必要としないで、株式を引き受ける権利が無くなるということになります。

ちなみに、発起人の中に出資の履行をしない者がいる場合は、失権予告付催告をすることになります(会社法36条3項)。

こちらは、当然に失効ではないのです。
※この発起人と設立時株式引受人のちがいも重要です。

失権予告付き催告をする場合は期日を定めて、その期日から2週間前までに、出資をしていない発起人に通知するひつようがあります(会社法36条1項2項)。

会社の設立についてのの補足

株式会社の設立においては、民法93条1項ただし書き、民法94条1項、虚偽表示、錯誤詐欺強迫による無効の主張の制限(会社法51条)されます。

会社の成立がそもそも無効であったということが無いようにするためです。

これはなぜでしょうか?

株式会社は設立されて営業活動を始めると、会社の内部だけでなく取引先など多くの利害関係者が出てきます

そのため、設立自体が覆されるというようなことであっては、安心して取引関係に入れません(取引の安全を重視)、そのために制限されています。

変態設立事項とは

変態設立事項とは何のことでしょう。

『変態』という言葉から何かおかしなことという印象が出てくると思います。

日常生活で使う、『変態』とは意味が違うのでご注意ください。

変態設立事項とは、『現物出資』、『財産引き受け』、『発起人の報酬・特別の利益』、『設立費用』の4つのことを指します(会社法28条)。

また、『設立費用』については、一般的にかかる費用については除外されていることに注意してください。

わざわざ書かなくても、掛かる費用については載せる必要はありません、何が書かなくていい費用になるかは、法務省令で定められています。

この法務省令まで押さえる必要ないので、何か特別な費用のみがここでいう設立費用になるということを知っていればいいでしょう。

『発起人の報酬・特別の利益』については、設立業務をすることで発起人に報酬を支払う場合や特別に利益を植える場合は事前に記載しておくことになります。

『現物出資』とは、出資は金銭で支払うのが原則ですが、土地で支払ったり有価証券で支払ったりと金銭以外のもので出資することを言います。

まさに、金銭という価値ではなく現物財産を出資するというものです。

『現物出資』と『財産引き受け』の違いについて

『現物出資』と『財産引き受け』は『出資』と『支出』の違いがあります。

『現物出資』は文字通り、出資であり発起人のみがすることができます(会社法34条、63条)。

発起人のみができると直接規定されているわけではなく、発起人の出資の履行の規定である会社法34条には、現物出資の場合は現物を給付すしなければならないと規定されていますが、63条の設立時募集株式の払い込みについては、払い込みの方法みが規定さえています。

発起人のみに、現物出資をする場合について規定されていて、設立時株式引受人については特に準用の規定も書かれていないことから、発起人のみが現物出資できるとされています。

条文解釈で導かれるものです。

『財産引き受け』は、会社の成立を条件に会社が特定の財産を譲り受ける契約をすることを言います。

出資ではないので気を付けてください。

注意して欲しいのは、財産引き受けは会社からお金が出ていき、財産が会社に残るということになります。

適正な価格で譲りうけないと会社が損をすることになるので、しっかりと検査する必要が出てきます。

『財産引き受け』は、発起人も発起人以外のものでもすることができます。

発起人は、会社設立自体に必要な行為の他は開業準備行為はできません、ただ定款に記載されて厳重な法定要件を満たした財産引き受けのみが例外的にできるということになります(最判昭38・12・24)

まとめ

会社の設立は、発起設立と募集設立があります。

多くの中小の会社は発起設立で設立されることになるでしょう。

募集設立は、株主を募集するので、発起設立よりも煩雑な手続きが必要になります。

株主の意見を反映させるための創立総会があります。

設立時役員の選任についても、発起設立は発起人が選任するのに対し、募集設立は創立総会で発起人だけでなく他の株主の意見を反映して選任されます。

現物出資と財産引き受けの違いは、出資と支出の違いであるという点を押さえてください。

今回はこのへんで終わります。

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